ベルギービール〜カンティオン
あのK嬢が結婚して来月引越しするというので、昨日はO嬢とM嬢と私の3人でささやかな送別会を催した。今後はなかなか会えなくなりそうだ。なぜなら引越し先はドバイだから(笑)。いきなりドバイかよっ!(さまぁーずの三村風に)
いつものことながらサプライズなOLよのぉ。お笑いライブが見れなくなるのがさびしげだったがDVD送れって(笑)。その際の注意点。イスラム圏なので肌の露出にはめっぽううるさいらしく、江頭2:50のビデオなどは税関で入国拒否されてしまう可能性があるらしい(ひとくちメモでした^^;)。
送別会の場所はミルウォーキーズクラブ。川口にある埼玉有数のベルギービールの店だ。約半年ぶりに行ったが、ビールも食べ物もほんとにおいしいし、マスターがベルギービールの話をいろいろ聞かせてくれる楽しい店だ。昨日も私以外の女性3人がオススメを聞いたら、2,3質問されて、おいしいビールを選んでは次々と出してくれた。ベルギー以外のビールやその他のお酒も豊富です。
私はカンティオンのランビック・ビールを飲むためにこの店にしたと言っても過言じゃないので、カンテオン・クリークを頼んだ。人気のベルビュー・クリークと飲み比べで盛り上がった。いつものことながらカンティオンのこの味は普通じゃない!まさにオリジナルの味だ。どうしてボクたちは出会ってしまったのだろう...。そんなボクのカンティオン初体験話はこちら(笑)。
ベルギービールの老舗醸造所カンティオンではランビックを作り続けている。ランビック・ビールというのは、空気中に浮遊する野生酵母で作られる自然発酵ビールのこと。自然発酵なので醸造所ごとに違う環境であり、出来上がったビールの味もそれぞれに大きく異なる。ベルギーの地ビールが豊富なのはそういう理由もあるわけだ。なかでもカンティオンのオリジナリティは尋常じゃない。ラーメンに例えるならばラーメン二郎の“大豚ダブル”である。量がじゃなくて(笑)。ものごとには順序があり心の準備が必要なのだ。初心者は二郎で大豚ダブルを注文すべきでない。カンティオン(特にカンティオン・グーズ)もそういう飲み物なのだ。
たとえば、フラッとベルギービールの豊富な店に入り、200種類以上あるベルギービールのなかから知らずに当てずっぽうでカンティオン・グーズを選んだとする。「いくら個性的と言ってもビールはビールだろ。気分爽快にググッと飲み干してやるよ!」なんて思って飲んだりすると、とんでもないことになる(笑)。気分爽快感をこれで味わえるヒトがいたら会ってみたい。このビールは日本でいうビールの印象とは真逆だ。
お酢って飲んだことある?バルサミコとか(笑)。それをイメージして飲めばあまり驚かずに済みそう。例えるなら鉄の断面をなめてるようなビールだ(笑)。強烈な酸味がある。ミルウォーキーズクラブは良心的なので注文すると「カンティオン飲んだことありますか?」って一応聞いてくれることもある。まさに怖いもの見たさに訴える飲み物なのだ???
でも飲んでみなければいつまでも初心者以前だ。そこで、グーズの前にクリークとかフランボワーズなどの飲みやすいカンティオンを飲んでみて、それらから甘みを消し去ったビールをイメージする。それでも飲んでみたいなと思ったら、恐る恐るグーズに手を出してみる。それが順序というものだ(と思う)。
そんなランビック・ビールだが、EUによる欧州統合でその味が守れるかどうかが微妙だという。酵母を自然のままにしておくことで得られる手法が野生酵母による自然発酵だ。ぶっちゃけホコリとか蜘蛛の巣なんかも取り去らないで自然環境のままにしておくという。菌も野生のままだから作れる時期も限られる。他の雑菌が勝るような季節には作れないのだ。またネズミが出やすい環境なので、ネコ(なぜか黒猫が多いらしい)を放し飼いにしてあったりといった、そういう醸造所で作られるのがランビック・ビールなのだ。
しかしEUでは衛生管理を厳しく規制されるようになる。そんな不衛生な環境は許せないってわけだ。だがそんな不衛生な(実際はそんなことはなく昔からそうやって作ってきた)環境で得られるオリジナリティこそがランビックの味だ。今後は、これまで生きていた野生酵母と衛生的にコントロールされた若い酵母とをブレンドしていくことになるだろうから、味も変化せざるを得ないのではないかという。特にカンティオンの見るからにヤバそうな(?)その味が変化するとしたら、なんとなくさびしく思う。
EU統合はユーロによる一大経済圏を作り出す実験だが、そのメンバーから個性を奪うようでは競争力も徐々に衰退していくのではないか。通貨統合(同化)と固有文化(差異)とを併せ持つことが経済的な発展につながると感じる。逆に差異のない資本主義経済の発展はありえない。資本主義では差異を作り出しこそすれ、均質化していくのはおかしい。その方向性では売るものがなくなっていくではないか。
ま、難しい話はともかく(笑)、いまあるベルギービールを楽しもう。ベルギービールを自宅で楽しみたい方は楽天ベルギービールの木屋へレッツラゴー。
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