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2004.01.03

山口智子のナチュラルさ

昨日「向田邦子の恋文」を鑑賞した。山口智子はさすがだ。女優山口智子の健在ぶりがうれしい。貫禄のドラマだった。脇を固める岸部一徳・石田ゆり子・田畑智子・藤村志保もみんな良かった。もちろん大口広司・樹木希林は言うに及ばず。向田邦子ゆかりの森繁、岸本両氏の出演も心憎い。

大石静の脚本は「ホームドラマの向田邦子」をドラマで描く役割が充分果たせていたと思う。小林亜星の音楽もみごとにホームドラマしていた。久世組はさすがだ。ホームドラマを知り尽くしている。刺激ばかりが求められる昨今、久しぶりにホームドラマの力作を見せてもらった。CXでダンナが45周年記念ドラマに主演し、自らもテレビ50周年記念ドラマの主演。確実にドラマ史に名を残した。

山口智子の演技のすごさは、昼間やってた特番ナビ番組を観ていっそう理解が深まった。最近の長時間ドラマはナビ番組とセットになっている。DVD化のためかもしれないが、長時間ドラマを見るときは昼間のナビ番組も要チェックだろう(今日のブラックジャックによろしくナビも要チェキ)。彼女は自宅に帰ってから、演出の久世光彦にシーンごとの細かいメモをFAXしていたという。それが膨大な量になっており、大演出家・久世をして「邦子が憑依していた」と言わしめた。

オレ自身がずっと感じていた山口智子のすごさは「股」にある。トレンディドラマの時代からオレは山口智子のドラマを股に注目してずっと見てきた(股だけにではない)。山口智子は自然に股を開ける女優なのだ。これは断じてエロ話ではない。真面目なドラマ論だ。

たとえば一人で部屋にいて電話をかけているシーン。たとえば寝そべって談笑しているシーン。プライベートな空間での人間の動作を演技するにはいろんな方法があるだろう。主に寝そべった場面で、山口智子はかなりの確率で自然に股を開く。統計を取ったわけではないが他の女優とは明らかに異なる動きなのだ。

演出家もいろんなタイプがあるだろうが「そこで股を開け」とは指示していないのではないか。自然に寝転んでという場面でしかない。だがこの山口智子の股の演技の自然さ(しかしカメラの位置はしっかり頭に入っていそう)は、他の女優と差別化される大きなポイントだと思う。

かつてトレンディドラマに出ていた山口智子の評価は「ナチュラルさ」だった。それは間違ってない。だがその「ナチュラルさ」は山口智子だけにしか出来ない。だからオレの評価は一貫して「私が女優よ」という強さを纏ったナチュラルさである。画面から「ナチュラル」を見極めるのは難しい。山口智子クラスになると尋常ではない。昨日のドラマでも冒頭、恋人の中原が指を怪我してそれを舐めたあとの「消毒しといてあげた」なんてセリフ回し。もうそれだけでうなってしまうくらいに自然なのである。

他の誰にも出来ないナチュラルさ。確実に違うのだが、それをどう説明すればいいのか困難なほどに自然な演技。なんとかして見極めたいと必至になって山口智子の演技を追いかけ、たどり着いたのが山口智子の股の演技なのである。他の女優になく山口智子だけに出来るナチュラルさのポイントを、やっと画面の中から見出したわけである。

これを計算してやっているとしたら驚異的だが、それは本人しか知ることの出来ない部分である。いつか演技論を聞いてみたい。きっとはぐらかされるに違いない。(文中敬称省略御免)

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Comments

うわ~。ドラマ見る前に感想見ちゃったよ~。
もう「股」しか注目できない(T_T)

Posted by: FFへんしゅ~ちょ | 2004.01.03 at 13:24

心配無用でごじゃる!
犯人は書いてないんで(ってサスペンスじゃない!)。

「向田邦子の恋文」では、山口智子のナチュラル・ポイントとしての「股」はちょっとしか出てきませんので...(こっちがネタばれやんか!?)。3姉妹がお父ちゃんのヨソミ談義するとこくらいか。

ボクの山口智子論・序説の集大成としてこれまでの研究成果をこの機会に書いてみた次第でごわす。

Posted by: ポップンポール | 2004.01.03 at 18:02

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